大人だからこそ絵本
私が生まれた時に母の友人からいただいた絵本、『せかいのひとびと』から。
ある人たちは 自分と ちがっている というだけで
よその人たちを きらう。そんなことって おかしいよ。
その人たちは 自分たちだって ほかの人から 見れば
ちがっているって ことを わすれているんだ。
『せかいのひとびと』ピーター・スピアー/松川 真弓
小さい頃に読んだ記憶では、世界には沢山の民族、言語、宗教、職業があるんだよ、そんな内容だと思っていました。でも、最近になって改めて読んでみると、もっともっと深いメッセージが込められていたんだと気が付きました。
子どもの頃よりも、もっと色んなもの、こと、人に出会い、色んな経験をした大人だからこそ、より絵本のシンプルなメッセージが心に響くんじゃないかなと思います。余計なことば、飾りをつけないから、メッセージそのものがスーっと心に入ってきます。
大人って難しい言葉を使って、遠回しにものごとを伝えることは得意だと思うんです。でも本当の伝える力って難しいことを、やさしい言葉で分かりやすく人に伝えることなんじゃないかなって思います。
子どもの頃のように透明な、素直な、まっさらなこころで絵本を開いてみる。どんな自己啓発本よりも、難しい本よりも、大切なものがぎゅーっと詰まっているかもしれません。
<私のお気に入りの絵本>
・生きとし生けるもの ゴフスタイン/谷川俊太郎
・こんとあき 林明子
・かいじゅうたちのいるところ モーリス・センダック/じんぐうてるお